小学校高学年から英語を始めるとき、「単語を覚えたほうがいい?」「文法の問題集をやったほうがいい?」と迷う方は多いと思います。
もちろん、単語や文法の学習は大切です。
特に高学年になると、中学校の英語も見えてくる時期です。
学校のテストや英検などを考えると、文字を読んだり、英文の仕組みを理解したりする学習も必要になってきます。
ただ、英語を問題集だけで勉強していると、
- 英文を見れば意味は分かるけれど、聞くと分からない
- 単語は知っているのに、文章になると読めない
- 英文を読むたびに日本語に訳してしまう
という状態になりやすいのも事実です。
現役英語講師こんにちは、はむ先生です。普段は大学生に英語を教えています。専門知識と指導経験をもとに、高学年・中学生の英語学習について紹介しています。
そこで、小学校高学年から英語を始める子に取り入れてほしいのが「英語の多聴・多読」です。
とはいえ、最初から英語の本を一人で読める必要はありません。
高学年からの多読では、まず英語を聞きながら文字を読む「聞き読み」から始める方法があります。
英語の音を聞きながら文字を見る。
意味の分かる英語をたくさん読む。
そして少しずつ、自分の力で読める英語を増やしていく。
この記事では、
小学校高学年から英語多読を始めるときの考え方と、聞き読みから自力読みへ進む方法
を紹介します。
小学校高学年の英語多読はなぜおすすめ?


英語を身につけるためには、英語に触れる量が必要です。
学校の授業や問題集だけでも、単語や文法を学ぶことはできます。
けれども、それだけでは実際の英文をたくさん聞いたり読んだりする経験がなかなか増えません。
たとえば、
I went to the park with my brother.
という文法を習ったとしても、その文を一度覚えただけで自由に英語が使えるようになるわけではありません。
実際には、
- I went to school.
- I went to the library.
- I went there with my friend.
- We went there yesterday.
のような英文に何度も出会いながら、少しずつ英語の使われ方が身についていきます。
多読のよいところは、こうした英語に出会う回数を増やせることです。
単語帳や文法問題集が「英語の仕組みを学ぶ教材」だとすれば、多読は「英語が実際に使われているところにたくさん触れる学習」と考えると分かりやすいかもしれません。
小学校高学年から英語を始める場合は、学校の勉強と多読のどちらか一つを選ぶ必要はありません。
学校で単語や文法を学びながら、家庭では聞く・読む英語を増やしていく。
この組み合わせがとても大切です。
▷ 小学校高学年から英語を始めても遅くない?今から英語力を伸ばす方法
小学校高学年の英語多読は「聞き読み」から始めてもいい


「多読」と聞くと、一人で英語の本をどんどん読む姿を想像するかもしれません。
でも、英語を始めたばかりの高学年の子が、いきなり英語の本を自力で読むのは簡単ではありません。
そこで使いやすいのが聞き読みです。
聞き読みでは、英語の音声を聞きながら、同じ英文を目で追います。
たとえば、
- 英語の音声を聞く
- 音声を聞きながら英文を見る
- 絵や前後の内容から意味を考える
という形です。
こうすると、
英語の音 → 文字 → 意味
がつながりやすくなります。
高学年は音と文字を一緒に使いやすい
乳幼児期のおうち英語では、まず英語の音をたくさん聞く方法がよく使われます。
もちろん、英語を聞く経験は高学年でも大切です。
ただし、小学校高学年の子には、すでに日本語を読む力があります。
文字とは何か、文章とは何かということも分かっていますし、学校生活を通して「学ぶ」ということにも慣れています。
そのため、高学年から英語を始める場合は、幼児と同じ方法を何年も繰り返す必要はありません。
音声と文字を同時に使いながら、英語を読む力を育てていくことができます。
ここは、高学年から英語を始める大きな強みだと思います。
小学校高学年の英語多読は簡単すぎる本から始めよう


多読を始めるとき、一番気をつけたいのが本の難しさです。
高学年になると、年齢に合う日本語の本はかなり複雑になります。
そのため、英語でもつい「小学生らしい内容」を選びたくなるのですが、英語を始めたばかりなら、それでは難しすぎることがあります。
英語の本は、実年齢ではなく英語力に合わせて選ぶことが大切です。
最初は「だいたい分かる」くらいでいい
英語多読では、一文ごとに辞書を引かなくても話が分かるくらいの本が向いています。
たとえば、
This is a dog.
The dog is big.
The dog can run.
という英文しかまだ読めないなら、そこから始めてかまいません。
「小学5年生なのに、こんな簡単な本でいいのかな?」
と感じるかもしれませんが、日本語年齢と英語年齢は別です。
大切なのは難しい本を読むことではなく、分かる英語をたくさん読むことです。
分かる英文が増えてくると、少しずつ長い文章にも進めるようになります。
小学校高学年の英語多読は音読も組み合わせよう


聞き読みができるようになってきたら、音読も取り入れてみましょう。
音読の目的は、きれいな発音を競うことではありません。
聞いた英語と、見ている文字を、自分の口でもつなげていくことです。
たとえば、
聞く → 文字を見る → 声に出す
という流れを繰り返します。
音読すると英語の読み方が見えてくる
英語は、文字を一つずつ読めばよい言語ではありません。
単語のまとまりや、文のリズムがあります。
音声を聞いてから音読すると、
「ここはつながって聞こえるんだ」
「この単語はこう読むんだ」
「この文はこんなリズムなんだ」
ということに気づきやすくなります。
特に英語学習を始めたばかりの時期は、自己流で英文を読むより、正しい音声を聞きながら読む経験を増やすほうがよいでしょう。
小学校高学年の英語多読は少しずつ自力読みに移ろう


聞き読みや音読を続けていると、少しずつ音声がなくても読める英文が増えてきます。
ここで初めて、自力読みが増えていきます。
ただし、「今日から音声はなし」と突然切り替える必要はありません。
たとえば、
- 簡単な本は自分で読む
- 少し難しい本は音声を聞きながら読む
- 気に入った本は音読する
というように、いろいろな読み方が混ざっていて大丈夫です。
聞き読みから自力読みは一直線ではない
多読は、
聞き読み終了 → 音読終了 → 自力読み開始
ときれいに段階が分かれるわけではありません。
自分で読める本が増えても、難しい本では音声を使うことがあります。
これは大学生や大人の英語学習でも同じです。
英語力が伸びれば、読む本の難しさも上がります。
そのたびに音声を使ったり、少し易しい本に戻ったりしながら、読める範囲を広げていけばよいのです。
小学校高学年の英語多読にはどんな教材を使えばいい?


英語多読に使える教材には、紙の本だけでなく、電子書籍や多読アプリもあります。
高学年から始める場合、私がおすすめしたいのは音声のある教材です。
特に最初のうちは、
- 英文が読める
- 音声が聞ける
- 絵から意味を考えられる
- レベルを少しずつ上げられる
という教材が使いやすいと思います。
Oxford Reading Clubも使いやすい
私が授業や英語学習サポートでも使っている教材の一つが、**Oxford Reading Club(ORC)**です。
ORCにはレベルの異なる英語の本が多数収録されていて、音声を聞きながら読むことができます。
英文だけでは意味が取りにくいときも、絵やストーリーを手がかりにしながら読むことができます。
高学年から英語を始める子にとって、音と文字をつなげながら読む経験を増やしやすい教材の一つです。
ただし、ORCを使えば英語学習がすべて完結するわけではありません。
学校の英語、単語・文法学習、音読、英会話などと組み合わせながら使います。
▷ Oxford Reading Club(ORC)とは?レベル・料金・無料体験と使い方を解説
教材全体の選び方についてはこちらでも詳しく紹介しています。
▷ 小学校高学年の英語教材はどう選ぶ?英語力の土台を育てるおすすめ学習法
小学校高学年の英語多読が続かないときは?


多読がよいと分かっていても、実際に家庭で始めると、
- 子どもが本を開かない
- 簡単すぎると言って嫌がる
- どのレベルを読ませればいいか分からない
ということもあります。
これは珍しいことではありません。
特に小学生の場合、教材を用意しただけで、自分から毎日英語を読めるとは限りません。
最初は大人のサポートがあっていい
最初は、
- どのレベルから始めるか
- 1日にどのくらい読むか
- 音声をどう使うか
- どの本を選ぶか
を大人と一緒に決めてよいと思います。
ただし、ずっと親が本を選び続けたり、学習を管理し続けたりすることが目的ではありません。
少しずつ、
「今日はこれを読もう」
「この本なら自分で読めそう」
「これは音声を使おう」
と、自分で学び方を選べるようにしていくことも大切です。
高学年からの英語学習では、この「自分で学べる力」も少しずつ育てていきたいところです。
小学校高学年の英語多読は「学校英語と一緒に」進めよう


この記事では英語多読について紹介してきましたが、多読だけをすればよいという意味ではありません。
高学年から英語を始める場合は、
学校で学ぶ単語・文法
+
聞く・読むインプット
+
音読や英会話などのアウトプット
を少しずつ組み合わせていくのがおすすめです。
高学年の子は、文法を説明すれば理解できる年齢でもあります。
「三単現のsとは何か」
「過去形とは何か」
といった仕組みを学ぶこと自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、年齢が上がったからこそ、文法を使って効率よく理解できる部分もあります。
ただし、文法を理解しただけで終わらせない。
本を読みながら、
「あ、これ学校で習った表現だ」
と実際の英語の中で何度も出会う。
この経験が、学校で学んだ英語を「使える英語」へつなげていくのだと思います。
小学校高学年の英語多読は「読める英語」を少しずつ増やそう


小学校高学年から英語を始めても、多読は十分取り入れられます。
むしろ高学年だからこそ、
聞く・文字を見る・音読する・自分で読む
を一緒につなげながら学ぶことができます。
最初から難しい本を読む必要はありません。
まずは、自分の英語力でだいたい意味が分かる本から。
音声を聞きながら文字を追い、声に出して読んでみる。
そうしているうちに、少しずつ音声がなくても読める英文が増えてきます。
聞き読みから始めて、自分で読める英語を少しずつ増やしていく。
これが、小学校高学年から英語多読を始めるときの一つの進め方です。
難しい英語を早く読めるようになることよりも、分かる英語をたくさん積み重ねること。
その積み重ねが、中学校以降の英文読解やリスニング、そして英語を使う力の土台になっていきます。
多読を始めたいけれど、進め方に迷ったら
「どのレベルから始めればいい?」
「聞き読みから、いつ自力読みに移ればいい?」
「ORCを始めたけれど、なかなか続かない」
という場合は、今の英語力を見ながら進め方を考えることもできます。
はむ先生の英語学習サポートでは、Oxford Reading Clubを使いながら、聞く・読む・音読する力を育て、自分で英語学習を進められるようになるまでサポートしています。

